この記事では事業再構築補助金の採択率についてポイント別に解説していきます。
※事業再構築補助金全体の概要説明についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
もくじ
事業再構築補助金、第1回公募全体の採択率は36%
申請枠 | 応募件数 | 採択数 | 採択率 |
通常枠 | 16,968 | 5,104 | 30% |
緊急事態宣言特別枠 | 5,181 | 2,866 | 55% |
卒業枠 | 80 | 45 | 56% |
グローバルV字回復枠 | 2 | 1 | 50% |
全体 | 22,231 | 8,016 | 36% |
すでに第1回公募の採択結果がHPで発表されています。
第1回公募の応募件数は全部で22,231件、そのうち8016件が採択されました。
計算すると全体の応募からの採択率は約36%になりました。
また、22,231件の応募のうち申請要件を満たして審査まで進めたのは19,239件。
審査まで進めた応募のみでの割合を見ると採択率は約42%まで上がる形となりました。
申請要件を満たせず審査に進めていない応募が2992件、全体の13%も占めるという驚きの結果となりました。
審査にさえ進めれば採択率は42%と決して低くはない倍率になるので、申請要件を満たすことは重要ですね。
せっかく手間をかけて行う補助金申請ですから、提出書類などの不備で不採択となるのは気を付けたいところです。
第1回公募の特別枠の採択率は55%
特別枠のみで見てみると応募の総数は5181件、そのうち2866件が採択され、55%の採択率となりました。
こちらも要件を満たして審査に進めた応募は4326件となり、採択率は66%と大きく上がります。
全体から見ても特別枠から見ても、申請要件を満たして審査に進むことで採択される確率がグッと上がりそうです。
業種別の割合は製造業がトップ!
第1回公募の応募を業種別に見ていくと、製造業が23.2%で最も多く、宿泊業・飲食サービス業が18.0%、卸売り・小売業が14.9%と続き、この3業種で全体の6割を占める応募件数となりました。
採択結果を見ていくと、特定の業種が採択率が高いということはなく、幅広い業種で採択されていることが分かります。
認定支援機関別の採択率はコンサルタント業者が一歩リード?
認定支援機関別の応募状況は、金融機関が最も多く約8,100件、続いて税理士関係が約5,600件、商工会・商工会議所が約3,500件でした。
採択率は民間コンサルティング会社が最も高く47.6%という結果になりました。採択率に関しては中小企業診断士・行政書士が47.4%、金融機関45.3%と続くので、コンサルティング会社だけが特別採択率が高いというわけではなさそうです。
第1回公募の事業計画の傾向
第1回公募で提出された事業計画書の内容としては、製造業は設備投資、飲食業はデリバリー事業、セントラルキッチン導入などが多かったようです。
事務局HPで、採択された案件が公表されているので今後申請を出す方はどのような事業計画が採択されているかの参考にしてみてもいいかもしれません。
提出された事業計画の共通した問題点としては、顧客規模の根拠が提示されていないため投資対効果が測れない事業計画書が非常に多く、なんと全体の8割に至ったそうです。
顧客根拠がないとはどういうことでしょうか?例を挙げて説明します。
宿泊業
「ホテル大宴会場をコワーキングスペースとして新たに活用し、宿泊客を360人から500人に増やします!」
→コワーキングスペースを作ると宿泊客が500人に増える数字の根拠がない
製造業
「植物エキスを抽出する設備を導入し、エキスの市場を新たに作ります!」
→エキスをだれが、いくらで、どれだけ買うかの説明がない
といった形で、具体的な根拠まで入れた事業計画書が求められているようです。
具体的というとお客さんを100人増やすとか、売り上げを100万円上げるとの具体的な数値を出せばいいと考えてしまいがちですが、その数値の根拠まで説明してくださいということみたいですね。
なかなか難しい課題ですが、現状8割の申請が根拠不足なわけなので、根拠を具体的に書けるようになるだけで採択される確率がかなりアップすると考えていいでしょう。
また、事業再構築補助金は企業の事業再構築を支援する補助金なので、単に売り上げが減って困っている!ということをアピールするだけはもちろんダメです。しっかりと新しい事業にチャレンジすることを計画書に盛り込みましょう。
パートナーである認定支援機関とも相談しながら、具体的な事業計画を立てましょう。
まとめ
- 第1回公募全体の採択率は36%
- 申請要件を満たせず審査に進めなかった応募が約1割。書類不備など気を付けよう
- 業種によって採択率に大きな差はない
- 認定支援機関はコンサルティング、中小企業診断士、金融機関が採択率がやや高め
- 顧客規模の根拠を具体的に提示した事業計画を作ろう
今回は事業再構築補助金の採択率について解説しました。
申請要件をしっかり確認する、具体的な事業計画書を作るなど採択結果には今後の申請に役立つ情報がたくさん詰め込まれています。
じきに第2回公募の結果も発表されるはずなので、第1回と合わせて目を通してみてくださいね。