コラム

ものづくり補助金のメリットデメリットを徹底解説!

この記事ではものづくり補助金のメリット、デメリットについて解説していきます。

※ものづくり補助金全体の概要説明についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

ものづくり補助金のメリット

3か月おきの通年公募。不採択になっても再チャレンジできる

ものづくり補助金は2020年3月10日の公募開始以来、3か月おきに通年で公募を行っています。
2021年度は計4回の公募があり、6月・9月・12月・3月に採択発表が行われる予定です。

いずれの公募も申請期間約2か月、審査機関約1ヶ月の期間で動いているため、補助金申請準備のスケジュールが立てやすいのが特徴です。

また、一度不採択となってしまった場合も次回以降の公募で再申請を出すことができるのもうれしいポイント。

2014年以降毎年実施されている補助金のため、いきなる公募が終了する心配も少なく、公募スケジュールも規則性があるので、事業と両立しながら自分のペースで申請を出しやすい補助金と言えるでしょう。

補助金を活用して設備投資ができる

ものづくり補助金は設備投資などに対し最大1000万円の大型補助金を受け取ることができます。
補助率は中小企業が対象経費の1/2、小規模事業者が対象経費の2/3になります。

例えば1500万円の設備を導入した場合、中小企業なら750万円を補助金で賄えます。
補助金は融資のように返済の義務がないため、自己負担額を大きく軽減することができます。

資金の少ない中小企業の場合、数百万規模の設備導入は事業が失敗するリスクも考えるとなかなか投資しずらいものです。
ものづくり補助金は、中小企業の今後の事業の成長を見据えた積極的な設備投資へのチャレンジを後押ししてくれるでしょう。

事業計画を形にすることができる

ものづくり補助金の申請には補助金を活用した設備投資でどのように利益を出すのかの具体的な事業計画の提出が必要になります。

ものづくり補助金の申請においてこの事業計画の策定が一番大変な作業ですが、事業計画を明文化できるという大きなメリットがあります。

町工場などの中小企業は現状維持などの形で事業計画が何年も更新されないケースや、社長独自の判断のみで事業が進められていることも少なくありません。

ものづくり補助金に申請するには、会社の現状、課題を整理した上で市場を分析し、今後の事業計画を分かりやすくまとめる必要があります。
申請にあたって策定した事業計画は、従業員との今後の事業展開の共有、金融機関や取引先に事業説明をする際など、様々な場面で役立つでしょう。

補助金採択企業というPR効果

ものづくり補助金に採択されることは、企業の事業計画などが国に公に認められた証となります。
金融機関などでプラス評価を受けやすくなり、融資が受けやすくなるなどの嬉しい側面もあるようです。

補助金採択企業であることを営業活動などのアピールポイントにすることで、新規顧客獲得や新分野参入に成功した例も少なくありません。
採択された方は、企業のPRにも補助金事業を積極的に取り入れていきましょう。

ものづくり補助金のデメリット

申請から採択後まで事務作業の負担が大きい

ものづくり補助金では申請に必要な事業計画書の作成、採択後に行う交付申請、途中経過報告の遂行状況報告書の作成、事業完了時の完了報告など、大量の書類作成・提出が必要になります。

メインの事業活動とは別に補助金のための事務作業時間を確保する必要があるため、従業員が少ない中小企業には負担が大きくなります。

ルールに沿って事業を実施する義務が発生する

国の補助事業は通称「補助金等適正化法」という法律による規定に基づいて実施され、ものづくり補助金も例外ではありません。

ものづくり補助金に採択された事業者は上記の規定に従って適正に事業を実施する責任があります。

採択され補助金が交付された数年後にも会計検査などの抜き打ち検査が入る場合もあり、規定外の処理や不正が見つかると補助金の返還が求められるケースもあります。

採択後5年間成果報告書の提出が必要

ものづくり補助金では、補助金の交付を受けてから5年間は補助を受けた事業の成果報告書を提出する義務があります。
補助金を活用したことで事業でどのように利益を出したかを報告する必要があるわけですね。
この成果報告で、利益が補助額を超えた場合は補助金額の一部返還(収益納付)が求められます。

利益が出過ぎた場合は国に返還する必要が発生してしまうことも頭に入れておいてください。

補助金は原則後払い。事業実施期間の資金繰りには要注意

ものづくり補助金は事業実施後の後払いとなります。
補助金採択後、定められた補助事業実施期間に経費を全額立て替え払いしながら事業を実施し、実績報告などの手続きが終わってからようやく補助金が振り込まれます。

例えば、2000万円の経費を申請して1000万円の補助金を受け取る場合も、事業実施期間に事前に2000万円全額を自社で支払う必要があるので注意が必要です。

資金が用意できず補助事業が実施できませんでしたとなると、そもそもの補助金採択も取り消されてしまう可能性があるため、経費分の資金を準備しておくことが重要です。
補助金に採択された企業は、金融機関の融資を受けやすくなるため、自己資金での支払いが難しい企業は融資を検討するのも良いでしょう。

まとめ

今回はものづくり補助金のメリット・デメリットについて解説しました。
税金を使用した国の補助金であるため、報告義務などの厳しい規定が設けられているものづくり補助金。

ですがうまく活用すれば自己負担額を軽減しながら、事業を拡大するチャンスにつながります。
実際に、多くの企業が申請・採択されているので気になる方はぜひチャレンジしてみてください。