ものづくり補助金を申請しようとしているのに、公募要領を読み飛ばしていませんか?
長いしわかりづらいから、としっかりと読まずに申請の準備をしているとしたら危険です。
本記事では公募要領の押さえておくべき内容と採択率を上げるポイントについてわかりやすく解説しています。
手元に公募要領を用意し、読み比べて理解を深めてください。
※ものづくり補助金全体の概要説明についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
もくじ
ものづくり補助金の公募要領を読むのはなぜ重要?
公募要領には申請の最低限のルールから、採択率を上げるポイントまで様々な情報が散りばめられています。
読むのが億劫になりがちな公募要領ですが、実は要領をしっかり読むことが採択への第一歩です。
また審査官も「要領を読んだ上で申請している」という前提で審査をしています。
1社あたり15分の審査時間と言われているものづくり補助金ですから、ルールに則っていない申請書は容赦なく審査で落とされてしまいます。
公募要領の内容は最低限理解して補助金を申請しましょう。
ものづくり補助金の公募要領のダウンロード先
公募要領は「ものづくり補助金総合サイト」からダウンロード可能です。
→https://portal.monodukuri-hojo.jp/about.html
こちらのサイトからは要領だけでなく、よくある質問や申請に必要な書類などもダウンロードが可能です。
何かと参照する機会が多いと思いますのでブックマークしておきましょう。
ものづくり補助金総合サイトが出している公募要領は2種類!
ものづくり補助金の公募要領は「詳細版」と「概要版」の2種類です。
よく概要版だけ読めば大丈夫ですか?と質問を頂きますが、必ず詳細版も読むことをお勧めしています。
概要版は簡単に内容を理解できますが、採択率を上げるポイントや、トラブルに繋がりそうな内容まで読み解くことができません。
概要版は
・詳細版を読む前にざっくり理解しておくため
・クライアントや関係者への情報提供のため
に使うことをおすすめします。
ものづくり補助金の公募要領は大きく分けて9項目で記載されている!
要領は大きく下記の9項目に分かれて解説をしています。
(1)事業の目的
(2)補助対象者
(3)補助対象事業の類型及び補助率
(4)補助事業の要件
(5)事業のスキーム
(6)応募手続き等の概要
(7)補助対象経費
(8)補助事業者の義務
(9)応募申請に関わる留意点
各項目ごと抑えておくべき内容と採択率を上げる読み解きポイントを順に解説していきます。
(1)事業の目的
概要版の要項では省略されていますが、補助金事業の目的は非常に重要な内容です。
審査はこの目的に合っているかどうかという視点で行われます。
書かれていることを要約すると
中小企業の生産性を上げる設備投資を支援します。
ということです。
重要な文章を抜粋すると、
中小企業が直面する制度変更(働き方改革や被用者 保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い生産性を向上させるための設備投資を支援する。
という趣旨が記載されています。
国が補助金を使って企業にどうなってもらいたいか、その目標達成のためにどのような支援をしようとしているかをしっかり把握しておきましょう。
採択率を上げる!読み解きポイント
ポイントは3つの要素
①制度変更に対応
②革新的サービス開発 or 試作品開発 or 生産プロセスの改善
③生産性をあげる設備投資
を全て達成できます!とアピールすることです。
申請書作成の際には、タイトルや事業計画などでこれらを達成しています!と示せるよう意識しましょう。
(2)補助対象者
ものづくり補助金の要領には対象者もかなり詳しく記載されていますが、押さえておくべきポイントをチェックリストにしました。
①日本国内の中小企業者である。(本社・実施場所ともに日本)
②経済産業省定義の中小企業であること
③みなし大企業は不可。
採択率を上げる!読み解きポイント
日本の中小企業であること!
中小企業の定義は必ず確認しておきましょう!
(3)補助対象事業の類型及び補助率
ここで見るべきポイント大きく分けて2つです。
補助対象事業の類型は3つ!
①一般型/低感染リスク型ビジネス特別枠
②グローバル展開型
③ビジネスモデル構築型
類型や、申請者の企業規模によって補助金額と補助率が異なる!
補助金額は類型によって異なり、補助率は企業規模によってことなります。
※補助率
中小企業:1/2
小規模事業者2/3
(低感染リスク型ビジネス特別枠は一律2/3)
他にも一般型には低感染リスク型ビジネス特別枠という補助率と対象経費が異なる枠があるということはしっかりと押さえておきましょう。
採択率を上げる!読み解きポイント
特別枠に該当する場合、特別枠で申請するのがオススメです。
特別枠は仮に不採択になったとしても通常枠で再審査となるので、2回チャンスがあります。
しかも加点された上での審査となるので、採択の可能性も高まります。
(4)補助事業の要件
本項目ではものづくり補助金の要件と、条件未達の場合のペナルティについて記載されています。
細かくは詳細の公募要領する必要がありますが、確認しておきたいポイントまとめました。
・補助を受けようとする事業が指定の期間内(10ヶ月)に終わるか
・作成した3~5年事業計画が要件を満たしているか
-年率平均1.5%の賃金増加
-事業場内の最低賃金が地域別最低賃金+30円
-事業者全体の付加価値が年率3%で増加
・認定経営革新等支援機関に相談しているか
・応募時点で事業実施場所(工場・店舗)を持っているか
・計画目標が未達に終わった場合、どのようなペナルティがあるか
・未達でもペナルティの対象外になるのはどのようなケースか
・申請しようとしている事業が、要領に指定されている対象外事業ではないか
<低感染リスク型ビジネス枠>の場合
・申請する経費の全額が要件(要領参照)に一致しているか。
<グローバル展開型>
・申請する事業が以下の4つの類型に該当しているか。
①海外直接投資
②海外市場開拓
③インバウンド市場開拓
④海外事業との共同事業
代表的なチェックポイントを上げておきましたが、ここだけ見れば良いという訳ではありません。
要件に関しては必ず公募要領をチェックしましょう。
採択率を上げる!読み解きポイント
事業計画書を作成する際には、必ずこの要件を満たすように策定しなくてはいけません。
また事業計画書の作成は、認定経営革新等支援機関に相談する必要があります。
自分に合った認定経営革新等支援機関を見つけて相談するのも、採択率をあげるポイントです。
(5)事業のスキーム/(6)応募手続き等の概要
事業スキームには補助金の源泉や各関連機関の構図が記載されていますが、確認すべき中心に書かれている手続きの流れです。
スケジュールに関しては簡易版の要領で、わかりやすく図解されています。
採択率を上げる!読み解きポイント
ポイントは申請に必要なGbizIDの取得です!
時期にもよりますが1~1.5ヶ月取得にかかるケースもあります。
申請を検討しているのであれば、すぐにGbizIDを発行しましょう。
(7)補助対象経費
補助対象経費は非常に重要な項目です。
おすすめは
簡易版の要領でざっくりと対象経費を把握
↓
自分の当てはまりそうな経費を詳細版の要領で確認
の流れです。
また注意が必要なのが、広告宣伝費・販売促進費は特別枠しか対象にならないという点です。
こちらの記事では対象経費についてかなり踏み込んで解説しています。
採択率を上げる!読み解きポイント
設備投資が主な補助対象経費になりますが、購入する設備選びも採択率を上げる上で非常に重要です。
採択されるためには、「導入する設備によって技術面の課題が解決され、生産性があがる!」というストーリーをしっかりと示さなくてはなりません。
”機械の増設をしたい”と考えるのではなく、今よりも機能が優れた機械を導入し、今実現できない何かにチャレンジできないかと考えましょう。
こちらの記事では設備選びのポイントについて細かく解説をしています。
(8)補助事業者の義務
ここでは交付決定後に守るべきルールが書かれています。
採択された次のステップではありますが、事前にしっかりと確認をしておきましょう。
例えば、近々承継する前提の事業であれば、
(1)交付決定を受けた後、本事業の経費の配分若しくは内容を変更しようとする場合又は本事業 を中止、廃止若しくは他に承継させようとする場合には、事前に事務局の承認を得なければなりません。
という記載があるため、ものづくり補助金には適さない事業であると言えます。
事業計画の提出が求められているため、まずそんなことはないかと思いますが、採択後も義務が発生するということだけ頭に入れておきましょう
採択率を上げる!読み解きポイント
補助事業者の義務を守れない事業は採択されません。
しっかりと(8)についても事前に確認しておきましょう!
(9)応募申請にかかわる留意点
申請に関わる事務的な留意点ですが、見落とすと致命的なミスにつながることがあります。
例えば、
添付書類については、ファイル名確認シートを参照し、決められたファイル名にしてください。
という記載がわざわざされているので、必ず決められたルールで提出をしましょう。
他にも会社情報のカナのふりかたなど、細かな留意点も必ずチェックしておきましょう。
ものづくり補助金の公募要領で最もチェックすべきは添付資料!
見落としがちな添付資料ですが、採択率を上げるヒントはこの添付資料に隠されています!
この添付資料をしっかりと読み込むだけで、採択率はグッと上がるでしょう。
採択率を上げる!読み解きポイント
添付資料で読むべき箇所は「加点項目と審査項目」です。
特に見落として欲しくないのが、事業継続力強化計画の認定です。
基準を満たして申請すれば認定される制度なので、必ず出して加点を取りましょう!
審査項目の読み込みは、採択されやすい事業計画書の作成に直結します。
事務局が「何を基準に審査します!」と公表してくれているので、必ずこの審査項目にそって事業計画書を作成しましょう。