コラム

事業再構築補助金の特別枠について徹底解説!

この記事では事業再構築補助金構築補の特別枠についてポイント別に解説していきます。

※事業再構築補助金全体の概要説明についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

事業再構築補助金の特別枠の概要説明

事業再構築補助金の申請枠には「通常枠」と「緊急事態宣言特別枠」が用意されています。
2020年の春、新型コロナウイルス感染症の拡大により発令された緊急事態宣言により、売り上げに大きな影響を受けた中小企業・中堅企業が対象の申請枠です。

特別枠の補助額と補助率

補助額は、従業員数に応じて金額が設定されています

従業員数補助額
5人以下100万~500万円
6人~20人100万~1,000万円
21人以上100万~1,500万円

特別枠の補助率は中小企業は対象経費の3/4、中堅企業は対象経費の2/3です。
補助率が通常枠よりも高くなっているのが大きな違いです。

例えば中小企業が対象経費1000万円を使用で申請を出した場合、通常枠だと補助率2/3で補助額が約670万ほどになりますが、特別枠だと補助率3/4で750万円の補助金が出ることになります。

これはとても大きなポイントですね!

特別枠申請に必要な4つの要件

特別枠申請には通常枠の申請要件3つに加え、特別枠独自の要件1つと合わせて4つの要件を満たす必要があります。
以下の4つが特別枠の申請要件となります。

  • 2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年または2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している
  • 経済産業省が示す「事業再構築指針」に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編に取り組む
  • 事業終了後3~5年で、付加価値額(利益)の年率平均3.0%以上、または従業員一人当たりの付加価値額の年率平均3.0%以上の増加を見込める事業計画を認定経営支援機関と共同で策定する
  • 緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受けたことにより、令和3年1〜6月のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上減少している事業者

以上4つの申請要件を満たせば地域や業種に関わらず申請が可能です。個人事業主の方ももちろん申請可能です。

特別枠独自の申請要件としては、緊急事態宣言の影響で売り上げが下がっていることを証明する必要があるようです。

コロナ禍の影響でより大きな打撃を受けた飲食店などへの救済措置の意味も込められた枠になっているかと思います。

事業再構築補助金の特別枠は通常枠より審査で有利!?

特別枠で補助金申請を出して不採択となってしまった場合、そのまま通常枠でも審査を受けられ、かつ一定の加点措置を受けられます。

つまり特別枠で申請した場合、特別枠・通常枠の両方で審査をしてもらえ、通常枠の審査では加点もしてもらえるということになります。

なので特別枠の申請要件を満たす方は、まずは特別枠で申請を出すのが審査においても、受けられる補助の内容においても良いかと思います。

事業再構築補助金の特別枠の対象経費は?

公募要領を確認すると特別枠の対象経費は

建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費

となっています。特別枠と通常枠で対象経費に違いはありません。
特別枠・通常枠共に気を付けたいのは事業再構築、つまり新たな事業のために使ったお金でなければ上記の費用であっても補助対象外となる点です。
日々の事業運営の継続のために使用される事業所の家賃や事務費用などは対象外となる場合があるので要注意です。また、資産運用目的の不動産や株式購入なども補助対象外です。

対象経費、対象外となる経費については公募要領に各項目別に詳しく説明が載っているので、念入りに目を通しておきましょう。

特別枠と似ている「最低賃金枠」が第3回公募から登場!

特別枠は第2回公募までで終了予定とアナウンスされていましたが、7月30日に公開された第3回公募要領によると、第3回でも特別枠の募集はされるようです。

さらに、第3回公募では特別枠に加え新たに「最低賃金枠」が設立されることが分かりました。
以下の申請要件を満たすことで補助率が3/4に引き上げられるため、特別枠と非常に似た優先枠となりそうです。

事業再構築補助金の最低賃金枠の申請要件

  • 通常枠の申請要件に加え、2020年4月以降のいずれかの月の売上高が対前年又は対前々年比で30%以上減少していること
  • 2020年10月から2021年6月の間で、3か月以上最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上であること

通常枠の申請要件3つに加え、上記2つの条件を満たすことで最低賃金枠に申請することができます。
審査においても他の枠よりも採択率が高くなるなどの優遇措置が受けられるので、条件を満たす方は最低賃金枠も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

まとめ

  • 特別枠の補助率は中小企業で3/4、中堅企業で2/3
  • 特別枠の補助額は従業員数に応じて最小100万円~最大1500万円
  • 特別枠の申請には通常枠の要件に加え、令和3年1〜6月のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上減少している必要あり
  • 特別枠は第3回公募でも募集される
  • 第3回公募から特別枠に加えて「最低賃金枠」が登場!

今回は事業再構築補助金の特別枠について解説しました。
第3回から新たに最低賃金枠が設立され、特別枠と並んで審査で優遇される枠が増えました。

今後事業再構築補助金に申請予定の方は、最低賃金枠での申請も検討してみてください。